太陽の下で傘

Umbrella in the sun

誰のためのゴスペル

結論から先にいいます、私は5でゴスペルを歌われたことがショックでした。良くも悪くも。

CSL5の“Peeps Gospel”の話。

“Peeps Gospel”はCSL2で初登場した歌です。最初はピープスが、リプライズではオッズ、キングもともに歌っています。
その後の本公演やラブスレⅡで歌われたことはありません。

ちなみにかんざきさん(id:ksrh16)のブログによれば、ラブスレ無印では歌われていた模様。キング、オッズ、クールビー、Qだそうです。
勝手にリンクを貼らせていただいているので何かありましたらおっしゃってください……

ksrh16.hatenablog.com

2020年10月12日現在、気づけばブログを封鎖されていました。
とても好きな記事だったので寂しい気持ちもありますが仕方ないですよね。

ラブスレ無印については、もう私に知る方法がないのでここでは論拠にはしません。

そんなわけで、CSL5における“Peeps Gospel”についてちょっと考えてみます。

CSL2におけるゴスペル

2において、ゴスペルはかなりキーとなる歌です。ピープスの正体が判明し、姉の形見とも言える傘を大事に抱えて歌う歌。そして、7年前の真実が語られ、オッズが歌い、ピープスが歌い、そしてキングが歌う歌。
リプライズもされている歌。2回も歌うのです。

ピープスくんがもう帰らない姉を想って歌う歌。“Come back home”なわけです。ここは歌詞を信じていいシーン(信じる?)だと思う。歌のすべてを通してピープスくんからお姉さんへの想いを感じ取っていいと思う。歌詞のすべてがピープスのための歌。考察だとか解釈とかいう余地はない。だってことば全部がピープスの素直な想いです。

そしてリプライズ。オッズが歌い始めます。正直に言えば、2でオッズがこの歌詞を歌う意味もまだ考えている最中です。

僕はここにいるよ
今も歌い続けてる
あなたが聞こえる様に
いつまでも…
Come back home
Peeps Gospel, Asu, 「Club SLAZY The 2nd invitation ~Sapphire~」

この時のオッズはすべてを背負って終わらせるつもりだった。すべての秘密を抱えて、少しの狡さとともに。たまたま7年で終止符が打たれただけなんです。クールビーが呼び寄せなかったら、彼はずっとキングとの終わりを抱えたままだった。「これでみんな、楽になれる」と言ったオッズ、その“みんな”に自分は含まれていた?
もちろんそれはオッズの逃げでもありました。キングと向き合うことから逃げたという意味では楽になれたのかもしれない。でもオッズはあのまま、親友を失い続けるはずだった。

そんなオッズが……もちろんこちらは先ほどのピープスくんとは違い、彼のために書かれたものかは微妙なところです。でも同じ作品内なのだから、オッズの感情・想いも考えて紡がれた歌詞なんじゃないかなあと思うと……やはり。

それにしても、「あなたに会いたいよ」とストレートに彼女への想いを歌えるキングは、やっぱり自分に正直な人なのだなあなんて思いました。


CSL5におけるゴスペル

まずね。オッズ、ブルーム、Qの声の重なりが本当に綺麗で、すごくいい。最高だと思います。超きれい。最高。サイコ〜!!

それでも……あの歌はクラブスレイジー2の歌だと思っていたので。少なくとも私にとっては。

レイジーに与えられたソロや、歌い継がれるショーステージの曲じゃない。ピープスくんやオッズやキングの想いのための歌だと思うんです。
私の中では、2の象徴だしめちゃくちゃ大事に思ってた曲。だから何で5で歌ったのかわからないというのが正直な最初の感想です。劇場で混乱しました。

もちろん本公演の中で何度も使われる名曲が大事にされていないだとか、そういう意味では全くありません。
ただ複数回使うとなると、その歌詞の意味をその場面の解釈の論拠として素直に使うことはできなくなると思うんです。だって“そのシーンのために書き下ろされた曲”ではないから。
その歌を歌う意味と、その歌詞をその人が歌う意味についてより慎重にならなくてはいけない。
クラブスレイジーにおける歌の解釈についてはまた別に書けたらいいな。

ブルームやQの歌う意味

Qやブルームは本当に悪くないんですが、私は二人にゴスペルを「とられた」って思ってしまいました。

QがCome back homeとか言ってる!? マジ?! とか思って最初死にそうだったんです。でも「あなたはみんなに必要なBloomさんなんだからクラブスレイジーから逃げないで、帰ってきて」みたいな意味の広義のCome back homeのつもりで言ったのかな?(ポジティブ解釈)的な。まだ逃げてはないけど……みたいな*1
てかもうこのへんスーパー自信ないんですけどそもそも私の解釈は創造主の意図する所じゃないかもしれないのはあたりまえ体操(絶望)

でも他人の選択に干渉するQかあ……このレベルならセーフなのかな。アクトに行ってほしくないという感情は告げたQだし*2
わからない。クラブスレイジーから逃げるっていうか“Bloom”から逃げないでなのかなあ。

それともゴスペルを2の歌とするのがもう間違いなのかな。わからない。

でもあのシーンは「クールビーからの伝言をBloomに伝えに来たQ」だったはずじゃないですか*3

……クールビーさんから。『みなさんがライバルであることに変わりは……』

Jr.はもう! ひとりで這い上がれる。僕がいなくても。……違う。最初から僕なんていらなかったんだ。

……ええ。あなたはもう、Jr.のためだけの8じゃない。クールビーさんにもEndさんにも必要な、Bloomさんなのです。

そんなこと……

とっくに分かっているでしょう。
Q, Bloom, 「Club SLAZY The Final invitation ~Garnet~」

そうして、オッズがPeeps Gospelを歌い出すのです。

「俺たちはライバルだか仲間だ、ブルームにもそう伝えておけ」みたいなクールビーの言葉をブルームに伝えようとしたQが、ブルームの言葉に遮られて、そして伝えたのが「Come back home」、これはQの願い(9のではない)であり、みんながブルームに願う言葉を代弁してもいるのかな。

オッズの歌う意味

……さあ? あなたは、面白いくらい過去に執着しない人ですよね。
DooBop, 「Club SLAZY The Final invitation ~Garnet~」

で、まあ大前提として何よりも先に「過去に執着しない」とDooBopに言われたオッズが、過去に直結している歌を歌うシーンであるはずなんです。
今台詞確認のために見直してたんですけど、これ言われた後のオッズ「えっ……」と小さな声で、聞こえるか聞こえないかくらいの声で言うんですよね。そう言われたことに意外そうな顔をして。オッズにとってそう思われることは意外だったんだろうか。彼自身としては執着しているつもりだったんだろうか。少なくともドゥーバップには、彼が過去に執着しているようには見えなかった。ここで言う過去っていうのは……やっぱり。オッズにとっての過去というのは……今ここにいなくて、歌われる対象なのは……*4

「過去に執着しない人」*5と言われた後にオッズが歌う、その意味は……

5でゴスペルを歌う彼のその表情は、2のゴスペルリプライズを歌うオッズや4のSerenadeを歌うオッズにも似ていますが、違う。

ゴスペルを私は過去(クラブスレイジー2)の象徴だと思ってるからオッズがあそこで歌ってくれたのは嬉しいです。彼が過去を想って歌うときに、あの歌を選んでくれた。本当に嬉しい。彼は忘れてないって。
しかしCome back homeを誰かに向けたものと捉えるのは少し違うと思っています。歌こそが意味で歌詞を細かく切り抜いて意味を作るのは違う気がするんです。もちろん多少触れるとこはあると思うけど、重きをおくのはそこではないかもしれない。

あれはオッズも過去に向ける想いがあるということであり……過去の、という意味ならブルームとキューも今までに想いを馳せている、ということに注目するべきなのかな。“Come back home”とかではなく。

そうなるとやっぱり、彼らは彼ら自身の過去の選択を否定せず、受け入れようとしているんだと思いました。「ああ、これでよかったのだ」そう思えるわけです。クラブスレイジーは否定をしない、認め、受け入れる物語なのだ。そこが私のクラブスレイジーの好きな点でもあります。

何のためのゴスペル

でもQがcome back homeを意味のあるように言ってしまうので…なんだか。わからん! わっかんね〜! DVD擦り切れるまで観ます!

過去に想いを馳せるけどオッズはそれ以上どうにかしたいとかいうアレではない*6し、ブルームとQも馳せてるけどだからどうしたいとかああするべきだったというより…ブルームの迷い…うーん。うまく文章にできないですね。難しい。

これは私の願望だけど、あのシーンはやっぱりオッズが過去を忘れることはない証明、そしてQやみんなの願いや祈りBloomがBloomを認めるためのシーンであってほしいな、なんて思ってしまいます。

当店のトップエースの登場。とその前に、私の心のショウメイを。
Odds, 「Club SLAZY The Final invitation ~Garnet~」

ちょっとズレますけど、ここ“証明”だと私は思っているんですが(照明よりも証明のほうがオッズの語彙らしい。照明という語彙はどちらかというとQ)どういうことなんだろなあ。 


私個人として結論のその先

過去を簡単に忘れることはできない、執着しないと言われるけどそうではないんだよという、そういうオッズの心の証明だと思うんだけどダメなのかなあ。本当にcome back homeにあまり意味を持たせないでほしい、オッズもだけどQにも誰かの選択を動かそうとすることはしないでほしいな、と思います。だって「自分の選択は常に最良」

ただ、誰かを想って願う・祈ることだけはせめて許されますよう……あなたの願いはあなたのものなんだから。

……思い続けなきゃいけない。セカンドエースになれるやつだって、その確率を持って生まれてきている。
Bloom, 「Club SLAZY The Final invitation ~Garnet~」

*1:それならBloomの目をまっすぐ見て言ってほしい気もしたんですが、そこまではっきり示してしまうとQの“他者の選択に干渉しない”といったようなスタンスが揺れてしまうのでやはりさりげないほうがいいのかもしれない

*2:AWより。

*3:まだDVD数回しか流してないから違っていたらアレやけど……

*4:要考察案件

*5:DVDではこっちだった(ちなみにゲネや日によっては「過去に囚われない人」と言われていたこともあったのですが記録に残ったのはこっちなのでこちらメインに解釈しようと思います

*6:なんとなくですが、オッズはもうキングに会うつもりはないのかな(少なくとも自分から足を運ぶことはないのかな)と思っています。ちゃんと論拠あるので文章に起こす予定です!!!!(???)