太陽の下で傘

Umbrella in the sun

最近、うたプリにハマりました。
自分の感情を言葉にして残したくて、以下だらだらとまとめます。


わたしはレジェンドスターの頃にジャンルから離れたオタクでした。
とはいっても、そもそもアニメから入ったライトもいいとこなオタクで、真剣に追いかけてたことはほとんどなかった。

楽曲が好きで、アニメが好きで、誰が好きかと言われれば神宮寺レン、と答えていました。

いつ、なぜ神宮寺レンのことを好きになったのかは覚えていません。気がつけば好きだった。
わたしが知ったタイミング的に、2000%の頃がリアルタイムだったんじゃないかなあと思うと、やはりオレンジラプソディがきっかけなんじゃないだろうか。

オレンジラプソディ

オレンジラプソディ

正直自信はない。そうだったんじゃないかな、って今のわたしがそう思うだけ。ちょっと願望が入ってるかもしれないけれど。
そうだとしたらなんて運命的なんだろう。と、馬鹿なことを考えてしまう。

うたプリの歌が好きだったのだ。
あの頃のわたしはただの学生で、バイトもしてなかったから、わずかなお小遣いをやりくりして楽曲を集めてみたり。
レンだけじゃなくて、手に入れられる楽曲はとりあえず手に入れた。ウォークマンに入れて暇があればずっと聞いていた。
覚えた曲はカラオケで何度も何度も歌った。
あの頃は8時間フリータイムで歌い通すだけの体力もあったから、友人と2人で延々と歌い続けたこともあった(今はとうていできそうにない)。

劇団シャイニングは3作とも初回限定版を予約して買ったらしい。これはおそらく、自分が演劇をやっていたから。
プリンスたちが舞台演劇をすることが心底嬉しかったみたいだ。

あとは、たまーに、グッズを買ってみたり。
マジLOVE LIVE 3rd Stageの円盤も買っていたらしい。そういえばこれは予約して買ったような気がする。
こうやってみてると2013~14年あたりが一番熱を入れてたっぽい。
でもそれだけだ。

ゲームは手を出さずにいた。乙女ゲームは大好きでよくやっていたが、うたプリだけはできなかった。


「レンと恋愛をするのが怖い」


みたいな、そんなようなことを思っていた……と思う。
うたプリのアニメと歌が好きなだけの、ライトなオタク。
ふらふらと他のジャンルも行き来しながら、ずっとライトに好きだった。


マジLOVEレジェンドスターは2016年の10月から12月にかけて放送された。
この頃の自分を明確に覚えているわけではない。
だがこのアニメ4期は素直に嬉しくて、放送前は「観よう」と思っていたはずだ。

結果として、わたしはほとんどレジェンドスターを観なかった。
HE★VENSに対して、素直に受け止めきれない"心の引っ掛かり"があったのだと思う。


特に、桐生院ヴァンに対して。


レンの回だけは観ようとした。
6話「Lovely Eyes」。レンとヴァンの当番回
途中までは確実に観た。ただ後半の記憶がほとんどなかった。たぶん、途中で観るのをやめたんだと思う。

HE★VENS、そして桐生院ヴァンに対して、あのときのわたしはまともに向き合えなかった。
いつもなら、他のジャンルなら、最後まで観てから自分の中で答えを出す。でもそれができなかった。

桐生院ヴァンを見かけるたびに苦い気持ちが胸に広がっていた。
そんな状態だったためにシングルを手に取ることもせず、レンの新曲すらまともに聞かなかった。

今までも波はあったが、明確に、自ら「離れた」と感じたのはこのときだったと思う。


キングダムのことは当然知っていた。観にいかなきゃな、と思いつつ、わたしは行かなかった。
行けなかったじゃなく"行かなかった"、というのは舞台オタクのときにも考えてたことだなー……。
行くことを選ばなかったのは、行かないを選んだってことだ。あたりまえ体操

レンのソロベストアルバムだって、予約してたのにキャンセルしてしまった。なんでなんだろうなあ。馬鹿だった。



そんな感じでうたプリから離れていた。今年の6月。友人と休みが合ったので2人でカラオケに行くことになった。
学生時代からの友人で、彼女とはよく会っている。部屋を借りてだらだらするような感覚だ。
そこで彼女はマジLOVEキングダムを見せてくれた。


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曲だけは、Apple Musicに加入しているので知っているものもあった(入れてはいたんだなあ)。ファンタジック☆プレリュード。

THE WORLD IS MINE。

THE WORLD IS MINE

THE WORLD IS MINE

聞いたことのある曲を、プリンスたちが、アイドルとして歌い踊りパフォーマンスしている。
ファンサしている。ステージを
生きている。ST☆RISHが。QUARTET NIGHTが。

神宮寺レンが!!!!!
これは……やばいものを観ている……相変わらず神宮寺レンはあまりにもかっこいい。
華やかで、人目を引き付けて離さず。それでいて、レンにたどり着いた人へ、心の底から嬉しそうに「よくきたね」と微笑みかけてくれている気がした。

アニメシリーズが好きだった。さまざまな葛藤などの裏側を知ることができて、神宮寺レンという人に惹かれた。
でも今ここには、それらを背負ったうえで、純粋なアイドルとしてのパフォーマンスを魅せてくれる神宮寺レンがいる。
ワクワクして止まらなかった。そして次の曲が始まった。

GIRA×2★SEVEN

GIRA×2★SEVEN

正直、入りでやられた。これはレジェンドスター1話の挿入歌「夢を歌へと…!」でHE★VENSパートで使われてたものと同じだったのに。
何だろう、出会うタイミングだったのだろうか。苦い記憶が薄れた今だからこそシンプルに受け取ることができたのかもしれない。
初見で一番好きになった歌だった。

……ほんの2ヶ月前なのにちゃんと思い出せない。すぐメモでも何でも感情の言葉を残しておくべきだった。っていうのは昔もよく後悔したことだな。

だけど確かに、わたしはこの曲でHE★VENSを受け入れることができた。
だって最高にかっこいい。文句なしに。
ここで彼らに出会うために、この時のわたしはキングダムに入国したんだと思えた。

そしてユニット曲。すべてよかった。言葉が出てこない。
こんなにキラキラして、心からステージを楽しんでいるアイドルたち。
出会ってしまった。

劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム挿入歌「Up-Down-Up!」

劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム挿入歌「Up-Down-Up!」


桐生院ヴァンに。
HE★VENSが最高にかっこよかったのは認める。GIRA×2★SEVENに心臓を鷲掴みされたし。

鳳瑛一、かっこよかった。
わたしは瑛一の顔と声がまずシンプルに好きだ。185cmと背も高く(背の高い男が好きなもので、これは仕方ない)、センターで瑛二くんとシオンくんとGIRA×2しているところとか、もう脚が綺麗すぎて気が狂った。
もちろん2000%で出会った時は「結構な人だな……」とは思ったものの、それに勝るほどこの人のアイドルとして持っている資質みたいなものが好きだった(そして緑川光さんが好きなのでこれも仕方ない)。
綺羅くんも好きだ。それは真斗推しの妹が好感を持って語ってくれて、レジェンドスターの真斗&綺羅回はきちんと観ることができたからだと思う。


でもまさかヴァンくんとは。
明らかに心が折れたきっかけだ。ヴァンくんが悪いとかではない。あの時わたしが彼を受け入れられなかった、それだけのこと。
ずっと心残りですらあった。うたプリの話をフォロワーがするたび「ヴァンくん……」と思いを馳せていた。

UDUのヴァンくんはいろんな顔を見せてくれた。楽しくて仕方ないって顔。エンジェルに会えて嬉しいって顔。
悪戯が成功したときのような顔。きゅるんとして子犬みたいに可愛い顔。
何より、とびきりセクシーで独占欲を滲ませた"大人の男"の顔。

はちみつみたいにとろんとして、キュートとすら言えるほど甘い瞳。
そこからむせ返るような色気が垣間見えた瞬間に、わたしは「この人だ」と思ってしまった。


あとからよくよくよく考えてみて、桐生院ヴァンという男はどこからどうみてもわたしの好みだった。
顔。髪型。声。シンプルなのに複雑な人。楽観的で、冷静。
見るたびにその表情の色を変えて。しかも芝居ができる(最重要)。
実は、うたプリを知らなかった友人にも無理を言ってこのあとキングダム入国をしてもらったのだが、


「(ヴァンくんがUDUで)出てきた瞬間、あ、キミが好きなのこの人だなって思った」


と言われたので、まあ、そういうことだったんだと思う。気づくのがなんて遅かったんだ。気づけなくて失った数年間がとっても、とっても惜しい。
もしかしたら逆に、わたしは最初から一目惚れしてたのかもしれない。逆ってなんだろうね。忘れられない人だった。
わたしにとってUDUは、ずっと頭のどこかにいた「桐生院ヴァン」というアイドルに、ようやく向き合えた歌だ。



それから2週間くらいして、いろいろなリバイバル上映をしている映画を見かけた。
「いいなあ」なんて思って、「わたしも劇場でキングダムを浴びればよかった」なんて呟いた。
そしたら先日の彼女が現在も劇場公開している映画館を見つけてくれたのだ。
夜中に計画を立てて、次の日ほとんど寝ずに朝から観に行った。
ほぼわたしたちだけで貸し切り状態の劇場で観たキングダムは、ずっと心が震えていた。
一度観ていて内容は知ってるはずなのに新たな気づきがあったり。
冒頭の、みんなの名前がひとりずつ出るところでだいぶやられていた。
プレリュードですでに泣いていた。

1年経っても劇場で観られたこと、本当によかった。このあともあと2回ほど映画館で観た。

U-NEXTで配信していることを知り、家ではとりあえずそれで何度も何度も観ていたが足りなくなった。
「特別版でなくとも円盤買うといいんじゃないかな」
と、彼女はすすめてくれた。
わたしはアニメイトHE★VENS版を買った。何年ぶりにアニメイトで買い物をしたんだろう。


HE★VENSの関わる楽曲やCDをすぐ集めた。Paradise Lostも上下巻とも受注生産版で予約した。9月に出る新曲もHE★VENSのジャケットを予約した。
www.utapri.com

集めたものを目に入るところに並べて、眺めているだけで楽しい。
知れば知るほどにHE★VENSに夢中になった。
HE★VENSは家族だ。何にも変えがたい彼らの居場所で、お互いを信じ、愛し、認めている。
強固で、これこそがあるべき姿なのだと。
そんなHE★VENSという存在を愛おしく感じ始めた。

そして、わたしはレジェンドスターに向き合うことにした。


そこには記憶よりずっとずっとまっすぐなHE★VENSがいた。
本当に当時はすごく嫌な受け取り方をしていたんだな。いや、受け取ってすらいなかった。
向き合うことを拒否していたのだから。

もちろんST☆RISHHE★VENSのうまく噛み合わないでいた部分は観ていてつらい部分もあった。
でもST☆RISHは、レンは、HE★VENSをちゃんと認めていた。

今のわたしは、やっとレジェンドスターを受け入れられたのだ。

Lovely Eyes

Lovely Eyes

当然、推し二人が歌うこの曲は夢のような歌になった。一緒に収録されているレンのソロもヴァンのソロもずっとずっと聞いてる。

Give Me True Love

Give Me True Love

My cutie...Drive me crazy!

My cutie...Drive me crazy!





先日、物置と化している机を片付けていたら、Shining Airlineのグッズが出てきた。
www.utapri.com

2013年のAGFグッズだ。当時通販で買ったのを思い出した。
手元にあったのはレンとカミュのクリアファイル。なけなしのお金で買ったであろうトレーディング缶バッジ。カミュと嶺二とセシルだった。
我ながら健気だ。金額で言えば大したことはない。でも当時のわたしの状況を考えると、ああ、ちゃんと“好き”があったんだなと思う。

うたプリというジャンルへはだいぶブランクが空いてしまったけど、過去のわたしは確かに愛していたし、今のわたしもうたプリを愛している。
逃してきた歴史的瞬間を悔いても仕方ない。今好きでいることを大事に、そしてまた少し距離をおくことがあってもいいと思う。

キングダムの主題歌である宮野真守さんの「アンコール」にはこんな歌詞がある。

アンコール

アンコール

会えなくなったとしても ここは大切な場所のままだからさ

わたしはずるいオタクだから、これを都合よく受け取る。時にはこれを思い出して、オタクとしてあることを思い詰めずに生きていけたらいいな、なんて。





最近、デスクの周りにオレンジや赤のものが増えた。
オレンジや赤色を見るだけで元気が出るから。

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今はテレワークだから、自宅のデスクだ。
先日買ったアイドルプロデュースフレグランスのボトルが飾ってある。ヴァンのMerry Bergamot。ハッピーで爽やかな柑橘系で始まって、甘い甘い香りに支配される。
買った円盤のケースやグッズ以外にも、アクセサリーやネイルポリッシュも並べた。もちろんオレンジと赤。

今まで自分が何か色を選ぶなら、紺とか黒とか白とか、そういう寒色寄りなものばかりだったのが、オレンジを選ぶようになってきた。
出かけた時に見かけた手作りアクセサリーのお店で、これはレンっぽい、ヴァンみたいと華やかなイメージのものを見つけてはつい買ってしまったり。
わたしをキングダムへと連れて行ってくれた友人とは、毎年誕生日プレゼントを贈りあっているので、今年は彼女の推しのイメージのアクセサリーを贈った。

そうして集めたものをどうやって日常に取り込もうか、なんて考えながら過ごすのがわりと……いやかなり楽しい。

レンやヴァン、瑛一を想うだけで、結構冗談ではなく生きるのが楽しいのだ。

Switch版のRepeat LOVEとAASSLを買った。ものすごい勢いでのめり込んでいる。もうすぐだいたいのルートが終わる。細かい回収をしなきゃ。
「レンと恋愛をするのが怖い」なんて言っていたわたしはいなくなった。"わたし"の立場が作曲家であろうと、ファンであろうと、レンは確かに愛をくれると知ったから。





このブログの過去記事を見てもらえればわかるのだけどわたしは舞台のオタクをしていた。
だけどここ数年(2年かな)、本当に何も見に行く気力がなくなってしまった。
渡辺さんのFCも更新手続きを忘れて抜けてしまった(これは本当に馬鹿だ)。未だに再入会の手続きをしていない。

それでも他のジャンルでちまちまオタクとして一応は存え、細々と生きていた。
去年の夏には友人に引きずり込まれるようにしてオンラインゲームのファイナルファンタジーXIVFF14)に、今年の6、7月くらいまで熱中していた。

しかしそれもメインシナリオ(一番好きだったところだ)がひと段落してしまったり、全ジョブカンストしてやることがなくなった途端。
感情が一気に死んでしまった。

燃え尽きたのか、疲弊したのかはわからない。というか急激に死んだのではなく、おそらくは4月あたりからじわじわと死に続けていた。
今思えば新生活に入ったからか? 大した記録も残ってない(当然だ、文章化する習慣も消え去っていて手がかりは5年近く身内で固めたTwitterの鍵アカウントだけだ)からわからないけど。

あんなに楽しそうにオタクしていた、自分の中の飛び跳ねて心躍るような感情が、どこにもなくなっていた。

このブログは、舞台オタクとして心底楽しそうにしていた頃のわたしが残っている。
たまに読み返しては「今の自分には書けないな」と苦々しく思いながらブラウザを閉じた。

昔なら確実に全力で楽しんでいたことに心が動かなくなっていると気づくたび、気持ちが暗く沈んだ。
高々オタクするだけのことに大袈裟? "感情"を中心に全てを捉えてきたわたしには、それはオタクとして死んだも同然なんだ。

かなりつらかった。本格的に死んだのはほんの1ヶ月もなかったかもしれないけど。
ゆっくりと動けなくなっていく感覚がした。心がね。……何かめっちゃ病んでたじゃん! やばいな!(今更)



そこを、マジLOVEキングダムが救ってくれたのである。



2020年。上映してくれている劇場があってよかった。
ふと、観に行きたいな、と思えてよかった。
友人がマジLOVEキングダムの円盤上映会をしてくれてよかった。

マジLOVEキングダム。入国したのは公開の1年後だったけれど、ちゃんと観ることができてよかった。
今のわたしが観るべき映画、いやライブだった。
ありがとう。おかげでこれ以上苦しまなくて済みました。
久しぶりにオタクの楽しさを取り戻せました。



まだちょっとこのブログの、オタクずぶずぶって感じの文章を書いてたわたしには敵わないなーと思うけど、ちょっとずつリハビリしていこうと思います。
そして。

鳳瑛一さん。お誕生日おめでとうございます。
明日、あと1時間もししないうちになる、9月1日は瑛一さんのお誕生日。

このブログを久しぶりに書こうと思ったのは、素敵で鮮やかなまっすぐの感想を綴られているブログに出会ったから。
わたしもそれになりたいって思った。
それが瑛一の誕生日に合わせて書き上げられてよかった。

っていう、うたプリライトオタクがキングダムに救われてエンジェルになる話でした。